流行のグラベルロード、本当に必要?
購入前に考えたい「日本の道路事情」

太いタイヤでどこでも走れると大人気のグラベルロード。しかし、自分の走るフィールドや用途に合っていないと、宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。

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ブームの影で、意外と手放す人も多い?

近年、圧倒的な人気を誇るグラベルロード。「段差を気にせず街乗りも快適」「いざとなれば未舗装路も走れる」という謳い文句から、初めてのスポーツ自転車として選ぶ人も増えているようです。

しかしその一方で、中古市場を見ると比較的状態の良いグラベルロードが多く出回っており、「買ったものの、結局手放してしまった」というケースも少なくないと言われています。

非常に優れたポテンシャルを持つ自転車であるにもかかわらず、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?そこには、いくつかの「現実的なハードル」が存在していると考えられます。

理由1:高額な自転車は「気軽な街乗り」には向かない

グラベルロードは太いタイヤによるクッション性が高く、確かに街中の段差や側溝のグレーチングをストレスなく越えられます。「街乗りに最適」と言われるのはこのためです。

しかし、グラベルロードの多くはディスクブレーキや専用コンポーネントを搭載しており、価格は15万円〜30万円以上と高額になりがちです。これほど高額な自転車を、スーパーへの買い物や駅前の駐輪場に「気軽に」停めておけるでしょうか?

結果として「盗難が怖くて街乗りでは使えず、室内保管のオブジェになってしまった」という声もよく耳にします。純粋な街乗り・日常使いであれば、数万円のクロスバイクの方が精神的なハードルが低く、使い勝手が良い場面が多いようです。

理由2:日本の道路は「綺麗すぎる」

グラベルロードが欧米で爆発的に普及した背景には、石畳の街道や、少し郊外に出れば永遠と続く未舗装の農道(グラベル)があるという環境要因が挙げられます。

一方、日本は世界でもトップクラスの道路舗装率を誇ります。総務省のデータ等を見ても、私たちが日常的にアクセスできる道路のほとんどは綺麗に舗装されており、都市部に住んでいると「未舗装路(グラベル)を見つけること自体が困難」という現実があります。

本格的なグラベルを走ろうと思うと、車載や輪行で遠方の林道まで行く必要があり、「家のドアを開けてすぐグラベル」という環境の人はごく一握りです。

理由3:現代のロードバイクで大抵の道は走れてしまう

「でも、サイクリングロードのひび割れや、市街地の荒れたアスファルトを走るならグラベルが良いのでは?」と考える方もいるでしょう。

しかし近年、ロードバイク自体もディスクブレーキ化に伴いタイヤの太径化が進んでいます。以前主流だった23Cや25Cの細いタイヤとは異なり、現在のエンデュランスロードなどは28C〜32C程度の太めのタイヤを標準装備していることが多いです。

実は、市街地の多少の荒れやサイクリングロードの段差であれば、32Cのロードバイクでも全く問題なく快適に走破できてしまいます。

「ロードバイクの下位互換」になっていないか?

舗装路ばかりを走る環境においてグラベルロードに乗ると、重い車体と太いブロックタイヤの走行抵抗が足かせになります。

「舗装路での軽快さ」はロードバイクに敵わず、かといって「未舗装路」を走る機会もない…。結果として、「ロードバイクよりも重くて進まないだけの自転車(ロードの下位互換)」という使い方に留まってしまい、物足りなさを感じて手放してしまう人がいるのではないかと推測されます。

まとめ:自分のフィールドを見極めよう

もちろん、グラベルロード自体は非常に懐が深く、素晴らしい自転車です。

このような明確な用途やフィールドがある方にとっては、これ以上ない「最高の相棒」になるはずです。

自転車は、どんなに優れた機材でも「自分の用途と走る環境」に合致していなければ真価を発揮できません。流行りというだけで飛びつくのではなく、「自分はどこを、どんな風に走りたいのか?」を一度じっくり思い描いてから選んでみてはいかがでしょうか。

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