19cから28cへ。科学的根拠に基づいた「太径化」の理由を紐解く
1990年代から2000年代にかけて、ロードバイクのタイヤは「細くて高圧」こそが正義とされていました。当時は20cや23cが標準で、中には18cや19cといった極細タイヤを愛用するプロ選手も少なくありませんでした。
「接地面が小さいほうが摩擦が少ない」「空力性能が良い」という直感的な理由が信じられていた時代です。しかし、近年の科学的な解析により、その常識は180度覆されることになります。
意外かもしれませんが、同じ空気圧であれば、細いタイヤよりも太いタイヤの方が「転がり抵抗」は少なくなります。
細いタイヤは地面に接した際に縦長に大きく変形しますが、太いタイヤは横方向に変形が収まるため、タイヤの変形によるエネルギーロス(ヒステリシスロス)が小さくなるのです。
細いタイヤを高圧で使うと、路面の微細な凸凹で車体が跳ねてしまいます。この「跳ね」は、垂直方向へのエネルギーの逃げとなり、前方への推進力を奪います(インピーダンスロス)。
太いタイヤを適正な低圧で運用することで、路面の凹凸をタイヤが吸収し、車体とライダーを安定させてパワーロスを最小限に抑えることができます。
ディスクブレーキの普及により、フレーム設計から「ブレーキキャリパーによるタイヤ幅の制限」がなくなりました。これにより28c以上のタイヤも装着可能になり、タイヤの性能を100%引き出すための「ワイドリム」も進化しました。
最新のホイールは28cタイヤを履いたときに最も空力性能が良くなるように設計されています。
タイヤの太径化は、プロ選手だけでなく一般のサイクリストにも大きな恩恵をもたらします。
もしあなたの自転車が対応しているなら、25cから28cへ、あるいは30cへの変更を検討する価値は十分にあります。
タイヤが太くなると外径も大きくなるため、本アプリの「タイヤ周長」設定を忘れずに更新して、正確な速度・距離計算を行ってください。